====== エレベーターの定員 ====== 夏の人ごみってうっとうしいよな。蒸れるし暑いし。 今日も、仕事で疲れてるとこに帰宅ラッシュの電車でダメージ受けて、 うんざりしながらマンションに帰ってきたんだよ。 エレベーターを待ってたのは、 おばさん、じいさん、小学生低学年くらいの男の子が2人、 男子高校生、黒いスーツの男、 背中にガキをおんぶして、幼稚園児の手を引いた若い母ちゃん。 次々に乗り込んで、最後に俺が乗った。 けど、ドアを閉めようとした時、白いワンピースの女がするりと乗ってきたんだよ。 で、「ブー」ってブザーが鳴ったんだよな。定員が九人だからさ。 恥ずかしそうに降りようとするから、代わりに俺が降りてやった。 彼女は「ありがとう」と小さく笑った。それが可愛くてさ。 まぁ、単に俺は満員が狭くて嫌なだけだったんだけどw得した気分w そうそう、部屋に帰ってテレビつけたらニュースやっててさ、 なんかどっかのOLが行方不明なんだってよ。 それが丁度この辺で、ゾッとしたおかげでちょっと涼しくなったわ。 ---- 仮に子供は2人=大人1人、と換算してみますと、 この物語中では、 女性が乗ってもまだ9人分ですもんね、 それでブザーが鳴るということは・・・ エレベーターの天井裏に行方不明の・・・